朱音たちとまた溝を深めた麗亜は、その足で美来の部屋を訪ねていた。
リラックスモードで髪を梳かしていた彼女は歓迎したくない相手に背中を向けたまま、何の用かと訊く。
すると麗亜は彼女の背中にしな垂れかかって胸や顔に軽く触れながら、無垢で本当に綺麗だと賛美の言葉をかけた。
養成所時代からずっと・・・そう告白しようとするが、彼女は最後まで聞くつもりはなく腕を振り払い、「私はあなたの恋人ではありません」と突きつけた。
麗亜は一瞬悲しそうな顔を見せたが、すぐにいつもの気の強さを取り戻して、あの男を忘れさせると捨て台詞を吐いて部屋を出て行った。
やがて難民に配給を行う日がやって来た。
朱音は難民地区のどこかにある建物の中でパソコンで作業をしていた。
そこに怜人とマリア、翠が入ってきた。
麗亜をちゃんと撒いてきたことを確認した朱音は3人を招き入れるが、薄暗い室内に翠は怯えてしまう。
ここはUWの邪魔されないように作った隠れ家で、アクセスの制限なく外部とのネットワークも繋げられるようになっていた。
朱音はお風呂場で忠告したのと同じく、また長官たちや麗亜を信用しないように改めて言うが、彼はそう言う朱音をこそ信用できるのかと逆に訊いた。
しかし朱音はどっちとも取れる、自分で考えろと答えた。
やがて配給の時間になり、朱音を残して先に3人で現場に向かった。
現場は彼目当てで長蛇の列ができており、そこかしこから黄色い声が飛んでいた。
しかし中には、男で難民の不満を逸らそうとする政府のやり方や、独裁政治そのものに不満を抱く者もいて、多くの女性と同じようにはしゃげる気分ではなかった。
一緒にいた周りの女性も、いっそ彼とヤラせてくれればね、などと笑いながら本音を漏らした。
すると不満を漏らした女性は、日本海側にいる友達に聞いた話があるんだけどと言って、この街を出る誘いをかけた。
その間も列は減る様子を見せず、彼も丁寧に対応して笑顔を振りまいていた。
ただ、自分を狙うライフルの存在にはまだ気づいていなかった。
終末のハーレムの考察と感想
怜人を狙っているのは、麗亜に惚れているあの女性に違いないだろう。
朱音が信用できるのかどうかはさておき、麗亜はいよいよ血を流す手段を講じるようだが、個人的な感情で動いているのかは、まだ検討の予知があるだろう。
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