しかし、いざ女子たちに混ざると、いつもの体育以上に目のやり場に困ることになった。

 

一人でマイペースに泳いでいると、いつの間にか女子たちがタイムを計って競争を始めていた。
終末のハーレム

 

東堂と柊が接戦を繰り広げていたが、僅差で東堂が勝利を収めた。

「やっぱアキちんには勝てなかったか~」

「もう少しで負けそうだったよ。春歌速くなったね」

いい勝負をした二人は互いを讃えあっていた。

 

ボールをぶつけられた時にも思ったが、水から上がった東堂の競泳水着姿の破壊力に、土井は思わず見惚れていた。
終末のハーレム

 

 

すると、また黒田が間に入ってきて、妙な自信を漲らせながら、自分がいかに凄いかを語り始めた。

 

しかし、すぐに東堂に論破されて恥をかき、また敵対心を燃え上がらせるのだった。
終末のハーレム

 

東堂はそのまま土井の前まできてしゃがみ、またあの時のことを謝ってきた。

「先日はごめんなさい。ボールぶつかったところ大丈夫でしたか?」

そう言って目の前に屈まれると、自然と目線が股間に向いてしまうので慌てて逸らしてから、

「平気だから気にしないで」と繕った。
終末のハーレム

 

東堂がまだ何か言いたそうにした時、後ろから黒田が襲いかかり、水着をずらして彼女の巨乳を土井やクラスメイトが見ている中でポロリさせてしまった。
終末のハーレム

 

「そのデカパイがなければ、もっとタイムが上がるんじゃいないか」

と言いながら、バカ笑いする天才少女。

 

東堂は咄嗟に土井から隠すように横を向いて、軽く水着を上げると、キッと黒田を睨みつけ容赦なくプールの中に投げ落とした。

 

ライン川の飛び魚を自称する少女が泳げずに溺れかけている時、一条奈都が東堂の記録を破って一位でゴールをきめていた。
終末のハーレム

 

 

土井と目があった一条は手を振ってサインを送る。

土井はその意味に気付かないまま、何気なく振り返した。

 

それを見た東堂は勝負にも恋にも負けた気分になり、踵を返して彼から離れていった。
終末のハーレム

 

 

その日の夜。

自室に戻った土井は、先生とテレビ電話で話していた。

 

「ごめんね。今日はどうしても仕事があって」

と謝る先生

「そうですか。じゃあまた明日」

そう言って、物分りのいいフリをしたが、電話を切ると溜息が漏れた。

 

その時、誰かがドアをノックした。

 

訪ねてきたのは一条奈都だった。

 

「こんばんは。今日からよろしくお願いします」

そう告げる彼女は、なぜか枕を大事そうに抱えていた。
終末のハーレム

 

訳が分からず戸惑っていると、カレンから連絡が入った。

 

「翔太様言い忘れてました~!女子寮の空調が壊れてしまって、部屋割りが変更になったんです。でも、どうしても一部屋足りずに、翔太様の部屋を借りることにしたんですよ」

といきなり言われて、はいそうですかとはさすがに言えなかった。

 

しかしカレンは強引に話を進めようとしてくる。

「困った時はお互い様ってことで。これから当分相部屋でお願いします!」

 

それで、今日の水泳の競争がこのことに関係していると気付いた土井がそう訊くと、その通り、タイム一位の勝者には、彼との相部屋の権利が与えられることになっていたのだった。
終末のハーレム

 

 

カレンは勝手に話を切り上げて切ってしまった。

 

残された一条と土井。

 

「改めまして、これから一週間よろしくお願いします」

「う・・・うん」
終末のハーレム

 

先生の都合が悪い日に限って、クラスメイトと相部屋になってしまったが、これが仕組まれたことだとはまだ気付いていなかった。

 

 

考察・感想

先生のターンが終わってしまって残念だが、この先は一週間交代でクラスメイトがやってくるのだから、土井は猿にならざるを得ないだろう。

泳いでいる時にゴーグルをしていないのが気になったが、数十年後の未来では水質もかなり綺麗に保たれていて、目へのダメージも少ないのだろうと推察する。

東堂と黒田が犬猿の仲になったきっかけが気になるが、おそらくデカパイに嫉妬した黒田が一方的に敵視し始めたのだろう。

天才は高度な頭脳を手に入れた代わりに、色々な物に恵まれないのは天才あるあるだ。

 

 

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