終末のハーレム28話
【東堂晶】

「本当にいいのかな?」

「大丈夫だよ」
終末のハーレム

 

不安がる柊を土井は自分の部屋に連れ込もうとしていた。

用務員室で一戦やり終えた二人は、部屋で改めていちゃいちゃしようとしていた。

 

 

しかし、ドアを開けて入った瞬間、だれかがベッドに座って待っているのに気がついた。

 

「君は・・・」

「土井チャン。誰、その子?」

それは正式に次の相部屋相手になった黒ギャルだった。

 

「クラスの柊さんだよ」

「それは知ってるし!なんでここにいんのかって意味!

ちなみに土井チャン、あーしの名前知ってる?」

「えっと・・・」

「やっぱ覚えてねーし」
終末のハーレム

 

黒ギャルを煙に巻きたいのか、彼はあからさまに的外れな答えを返し、名前さえ知らないことを突きつけ、苦手意識を持っていることをやんわりと伝えようとする。

 

それでも黒ギャルはめげずに、自分の主張を優先させていく。

 

「りっか!柳律香だよ!覚えといてね!

あと、今週の土井チャンの相部屋はあーしの番だってこと覚えといて欲しいんだけど?」

 

そう言いながら柊を睨むが、彼女は彼の背中に隠れながらもおずおずと言い返す。

 

「最終的には翔ちんが決めるんだよ」

「はあ!それじゃくじ引きの意味ねーじゃん!

学校でも避けられてたし、あーしじゃ嫌っての?りっか、傷つくんだけど・・・」
終末のハーレム

 

柳はそこで涙を見せ、彼の同情を引こうとした。

 

 

彼が口ごもって認めも否定もしようとしないことより、二人の距離感の近さを見て、既に一度メイティングしているだろうと感づいた。

 

それも二人が否定しようとしないのが何よりの証拠だった。
終末のハーレム

 

 

なら自分としても何の問題もないはずだと思った柳は、すぐに服を脱ぎ始めた。

 

「なら、一発くらいあーしとヤッたっていいじゃんよ」

恥じらいもなく下着姿になる彼女に、逆に二人の方が顔を赤くしてたじろいだ。
終末のハーレム

 

 

しかし、柊は一歩前に出て自分が彼に選ばれたのだと声をあげる。

 

「私の翔ちんに下品なこと言わないでよ!」

「はー!おめーのじゃねーし!

つーか、ルール破って先にヤッチャったのはどこのどいつだっての」
終末のハーレム

 

「私と翔ちんの間には愛と思いやりがあるの!ルールとかじゃないもん」

 

両者譲らない不毛ないい争いが始まり、お互いに手を出し始めたのを見て彼は当事者にも関わらず逃げ出した。
終末のハーレム

 

 

 

自分を巡った取り合いに辟易し、彼は薄暗い敷地内をあてもなく歩き始めた。

 

こういうときこそ、先生と会って癒してもらいたいと思う。
終末のハーレム

 

だが、電話をかけても繋がる気配はなく、人類のためにやっていることとは言え、いろんな女の子と一夜を共にしているのに嫉妬しているんだろうかと考えた。

 

それは自分が望んだことではないのが歯痒かった。

 

 

先生に会えない寂しさと先の見えない生活を思って佇んでいると、ランニング中の東堂が通りかかって声をかけてきた。

 

「土井さん?」

「東堂さん!」

「こ、こんばんは。あ、相部屋楽しいですか・・・柳さんと」

「ほとんど喋ったことのない人と一緒にいても、緊張するだけだよ」

「そう・・・ですか」
終末のハーレム

 

彼女はおそるおそると言った風に質問し、ある程度希望通りの答えが返ってきたことに安堵した。

 

 

ただ彼は平静を装って答えながらも、彼女が下着をつけていないせいで浮き上がっている乳輪や乳首の膨らみに目が吸い寄せられるのを止められなかった。
終末のハーレム

 

 

そんな彼の視線には気づかず、彼女は別の話題を振った。

 

「あ、そういえばもう平気ですか?おでこ」

前髪を軽くかきわけて見せる東堂。

 

彼はあることを思いつき、喉を鳴らして唾を飲み込んだ。

 

「それが・・・夜になるとちょっと痛むんだよね。

傷はもう平気なんだけど奥の方がズキズキするっていうか・・・」

 

今訊かれるまで忘れていたにも関わらず、彼女の反応を予想してそう嘘を吐いた。

 

案の定、彼女は再び頭を下げて謝り、何でもお詫びしますと答えた。

 

そして彼は欲望に忠実に、Tシャツを捲って見せてよと指示した。
終末のハーレム

 

 

すぐに冗談だと取り繕うとしたが、彼女は恥ずかしがりながらすぐにシャツを捲りあげて見せた。

 

「これでいいですか?」

 

顔が一気に真っ赤になっていた。
終末のハーレム

 

 

彼はまた息を飲み、重さを確かめるように下から持ち上げて指をめり込ませ、沈み込む感触をマシュマロのようだと思った。
終末のハーレム

 

 

「ご、ごめん。こんなことして」

「いえ・・・」

 

だが、自分の立場と相手の気持ちを利用した下劣な行為だとすぐに思い直し、シャツを下ろして逃げるように部屋に戻った。
終末のハーレム

 

 

 

翌日の放課後。部活終わりの体育館に東堂を訪ねると、ちょうど彼女は一人で後片付けをしているところでいいタイミングだった。
終末のハーレム

 

「ど、どうしたんですか?」

「その、昨夜はごめん」

「な、なんのことですか?」

「東堂さんが心配してくれたのに、弱味につけこむようなことしたから」
終末のハーレム

 

彼女は昨日のことを思い出して恥ずかしくなるが、彼がバカ正直に謝りに来てくれたことを今度は自分が利用して、欲望をぶつけてやろうと思った。

 

 

「じゃあ、埋め合わせに用具の後片付け手伝ってもらっていいですか?」

「も、もちろん!」
終末のハーレム

 

 

さっそく用具室に彼を案内すると、彼女は後から入って扉を閉め、彼が戸惑っているうちに勢いよくタックルしてマットに押し倒した。
終末のハーレム

 

「ちょっ、んっ」

そして、そのまま口を塞ぐように唇を合わせた。

 

両手を押さえつけ、馬乗りになって身動きできないようにしながら、何度も激しく唇を吸う。

 

「東堂さん」

「乱暴してごめんなさい。でも、待つのは嫌なんです」
終末のハーレム

 

 

何か言おうとする彼の顔に尻を押し付けて黙らせ、その体勢で彼の足首を縛り、体操服を脱いで下着もはずし始める。
終末のハーレム

 

 

「どうしたの東堂さん?」

「土井さんが悪いんですよ・・・私、ずっと待ってたんですから」

 

彼女は迫力満点の胸を見せる。ショートパンツが激しい動きのせいでビキニのようにずり上がっていた。
終末のハーレム

 

 

彼に圧し掛かり、片手で腕を押さえながら片手でズボンを下ろしていく。

 

彼は全く抵抗できずにされるがままになり、一方的な喘ぎ声が用具室の外にまで漏れ始める。

 

それを一条は、不穏な表情で爪を噛みながら聴いていた。
終末のハーレム

 

 

終末のハーレムの考察と感想

土井編は完全にハーレムを堪能するだけのストーリーになっているようだ。

それは歓迎するが、一条のあの様子はが尋常には見えないので、また何か新たな波乱を巻き起こしそうな予感がする。

怜人の方がウイルスへのアプローチなら、土井側はメイティングにおける女たちの争いを激化させていくのだろう。

 

 

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