終末のハーレム1巻4話
【第1の男】

よく冷えたワイン。

好きな女優が出ている映画。

美女二人のマッサージ。

 

「ああ~、そこ、いいとこせめるねえ~」
終末のハーレム

 

火野恭司はリラックスしながら、完全に身体を委ねていた。

 

 

けっこう前の映画ですけど好きなんですか?とマッサージしている女性が訊くと、

「この女優が好きなんだよね。北山玲奈、超美人だよなぁ」と、てらいもなく答える火野。
終末のハーレム

 

そのデリカシーのなさに、女性は背中をつねって「マッサージに集中して下さい」と嫉妬してみせる。

 

そこに、彼の担当官、石動寧々子が入ってきた。

「火野様、メイティングのお時間です。本日はいかがいたしますか?」

「おっ、もうそんな時間か」
終末のハーレム

 

すっかり慣れ切ったやり取りを交わして、彼は候補の女性のプロフィールに目を通していく。

 

 

もう何度かメイティングした相手も混ざっているらしく、「昨日はマヤちゃんだったから、ああ~悩むなあ」と言う彼の言葉に、マッサージしていた二人は自分の名前が呼ばれるのを期待せずにはいられなかった。
終末のハーレム

 

しかし、担当官の寧々子が「では、その方はどうですか?」と提案したせいで、彼女たちの期待はお預けになってしまう。

 

 

彼は今までになく、選んだ相手が来るのを緊張して待っていた。

 

部屋にやって来たのは、さっきまで映画の中にいた女優の北山玲奈だった。

 

「・・・失礼します」

「・・・マジかよ。北山玲奈!」
終末のハーレム

 

超美人だと他の女性に言うほど見惚れる憧れの女優が目の前にいて、彼もまた夢を見ているようだったが、あの映画の衣装そのままの彼女の髪に触れると、夢ではないと分かった。

 

「じゅ、準備は済んでおります」

と言いながら自分でスカートを脱いで、ベッドに横たわる玲奈。
終末のハーレム

 

 

「めっちゃきれいだ。最高だよ・・・最高だよこの世界!!」

 

恥ずかしがる玲奈の足を広げて、正直な感想を言った。
終末のハーレム

 

 

衣装で着ていたセーラー服をたくし上げて、ピンクの乳首に舌を這わせると、彼女は「いやっ」と言いながらも息を荒げて、感じ始める。

 

「だめです火野様・・・」

「北山玲奈が俺を見てる・・・」
終末のハーレム

 

彼は夢中になって彼女の身体をまさぐり、衣装を着せたまま後ろから思い切り突き入れた。

 

「ズッズッ」

「ああっ・・・ああ」

「北山玲奈と繋がってる!」
終末のハーレム

 

火野は人類のためと言うより、欲望に忠実にハーレム生活を送っていた。

 

 

怜人は、まひると美来の3人で食堂で食事を摂っていた。

 

ただ一言「おいしい!」と言っただけで、厨房にいるスタッフから「キャー、おいしいだって」と歓声が上がるのは、嬉しくもあるが気恥ずかしくもあった。
終末のハーレム

 

ここでは機械で作らずに、ありとあらゆる分野のプロの料理人を揃えて調理していた。

 

それが貴重な資源である男性たちが特別扱いされているからなのは明らかだが、鈍感な怜人が「どうしてそんな非効率的なことを?」などと訊くので、女性全員から兄がチヤホヤされておもしろくないまひるが嫉妬混じりに

「そんなこともわからないなんて、鈍感バカにい」

といじけてしまう。
終末のハーレム

 

 

「ナンバー1の男性が、人間が作った方が食欲が湧く。と仰ったものですから」と美来が補足情報を伝えつつ、次から次に皿を空にしていく。

 

まひるは「そんなに食べるのに痩せてて、ちょー羨ましい」と本音を漏らし、怜人も同意しようとするが、思わずかなり大きな胸に視線が吸い込まれて「や・・・痩せ」と言い淀んでしまう。

そのせいで、またまひるの嫉妬を買う。
終末のハーレム

 

「男の人って、なんでみんなこうなの!?私、もう部屋に戻ってる!」と言って先に言ってしまったが、その時のまひるの言葉に、美来は一瞬手を止めた。

 

そして彼女が残していったデザートをジッと見て、怜人がくれた形に持っていって、嬉しそうに食べ始めた。
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「今後に関してですが、水原様の安全と健康管理のために、ボディガードとナースをお傍に置かせていただきます」

「それって、つまり・・・」

「ええ、その方々と寝ていただきます」
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ついに、約束通りの条件が発動されてしまうようだった。