終末のハーレム1巻5話
【手がかり】

「さあ、楽しみましょう」

「や、やめ!・・・放して下さい!」

 

怜人の抵抗も空しく、女の力はドアノブを一撃で破壊したことからも分かる通り、相当な腕力で彼の身体を引き寄せて放さなかった。
終末のハーレム

 

 

お互いの唇が触れそうなほど近づいた時、女は自分の名前を名乗った。

 

「アタシは龍造寺朱音。以後よろしく」

と、必要最低限の簡潔な自己紹介を済ませると、片手に持ち続けている酒瓶のコルクを口に加えて抜いた。
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怜人は美来がボディガードをつけると言っていたことを思い出し、

 

「もしかしてあなたが専属の?これも周防さんの指示ですか?」と訊いた。

 

しかし彼女は質問には答えずに、コルクを抜いた酒瓶にグイっと呷り、喉を鳴らして飲み出した。

 

そして言葉の通りおいしそうな顔で

「お風呂で飲むお酒って最高だと思わない?」と訊いてきた。
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怜人は押し付けられる胸の感触と、仄かに香る酒の匂いにクラクラしそうになるのを堪え、とにかく放して下さいと頼むが、朱音は「仕事だからそういうわけにはいかないなあ」と言って、やはり解放してくれない。

 

そして抵抗する唇を塞いで、口移しで酒を流し込んでいく。
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唇を離すと、彼の顔は上気していて呼吸も荒くなっていた。

 

少し立ちくらみしそうになる彼の身体を支えると、朱音はおもむろに膝をついて、

「ほら、アタシが洗ってあげるよ」

と言って、彼の身体に手を這わせていく。
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「やっ、やめっ・・・」

「やめて・・・くださ・・・っ」

 

言葉では抵抗の意思を示すが、ボディソープのぬるぬるした感触が朱音の柔肌のおかげで、何倍も気持ち良く感じられ、初めて女性にあそこを触られて感じたことのない気持ち良さに意識さえ遠のきそうになってしまう。
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すると怜人も諦めたのか、彼女に身を持たせかけて強張らせていた身体の力を抜いた。

 

「そうそう、最初から素直に身を任せちゃっていいんだよ」

 

しかし、彼は全く反応せずにぐったりしたまま。

「ちょっとアンタ!大丈夫!?」

 

どうやらアルコールと強い刺激が重なって気を失ってしまったようだった。
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目を覚ますと、服を着た状態でベッドに寝かされていた。

 

傍のソファでは、短いキャミソールとショーツ一枚のはしたない格好の朱音が眠りこけていた。
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すると、シーツがごそごそ動き出し、中から小さな女の子が出てきた。

 

いきなり現れたので怜人は当然驚くが、なぜかその女の子が彼以上に驚いていた。
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何でそっちが驚いてんだよ!?っていうか何してんだ?と訊くと、「そ・・添い寝・・・ですか?」と、また謎の疑問系で返してきて、訳が分からなくなる。

 

その時、さっきの朱音がボディガードだとしたら、この子はナースの方かも知れないと思い、

「もしかして君も周防さんの言っていた・・・」

「そそそそそうです!翠と言いますっ」

と名乗ってくれた。
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しかし名字を訊くと「山田?」と、また謎の疑問系だった。

 

 

子供っぽいし頼りないけど、優しそうだなと感じているところに、目を覚ました朱音が近づいてきた。

 

下着姿のままなので服を着て下さいと言っても、「何を今更」と羞恥心のかけらも見せずに豪快な性格を出し惜しみせずに見せてきた。

 

それじゃあ、アタシも寝ようかねと言って、当然のようにベッドに潜り込もうとしてきた。
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慌てた怜人が

「本当にここで寝るんですか!?」と訊くと

「安心しな。もう襲ったりしないから・・・今晩のところは・・・ね」と朱音が答え

「安心して下さい!」と翠も重ねて言った。
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