本当に川の字になって、二人に挟まれる形で寝ることになってしまった。

 

これでは健康管理以前にドキドキして眠れそうになかったし、美来の思い通りにはなるまいと気を張るので気が休まりそうになかった。

 

 

その予想通り、結局一睡もできなかった。

 

そして今日は、3人と共に動物研究所に赴いていた。

 

美来が

「動物研究所とは、変わった施設を見学したかったのですね」訊き

「橘絵理沙・・・探している人が大学卒業後にこの研究所に所属していたようなんで、何か手がかりがあればと思って」

と怜人は答えた。
終末のハーレム

 

 

翠は子供らしい見た目に違わず動物の展示を見て「象が見たいです」とはしゃぎ、

それに朱音が「蟻と間違えられて踏み潰されなきゃいいけどね」とからかい、空気を柔らかくする。

 

美来は、なぜ幼馴染みの方がまだ生きていると信じられるのですか?と、他意はなくそのままの意味で訊くと、彼も前のように怒らずに根拠を打ち明けた。

 

「コールドスリープする時、幼馴染みに俺のペンダントを渡したんです。小さい頃に兄がお守り代わりにくれたもので、発信機が入ってて、ある程度の距離までは追跡できるんです。海外だと詳しい位置情報は分からなくなるんですが、電波は受信できる。だからきっと、まだ生きてるはずなんです」

そう言いながら、携帯に受信があることを見せた。
終末のハーレム

 

 

話を聞いていた朱音が急に絡みついて来て、肩の力を抜きなと言いながら胸元に手を差し込んできた。

 

これも仕事だよと言う彼女に「お酒飲みながらボディガードが務まるんですか?」と最もな注意をするが、朱音と美来は顔を見合わせてキョトンとしていた。

朱音が何か言おうとした時、いきなり警報が館内に鳴り響き始めた。

 

「ビービービー」と耳を劈く警報音。

「ななななな、なんでしょう」と慌てる翠。

 

その時、どこからか脱走してきた巨大な熊が4人の前に現れた。
終末のハーレム

 

施設の職員が「あなたたち逃げて!」と言うが、既に熊は怜人の目の前にまで迫っていた。

 

 

考察・感想

朱音がナースで翠がボディガードという、見た目のミスマッチで盛り上げるのはいいが、朱音も十分人並外れたパワーを持っているので、ボディガードも兼任できそうだ。

翠の名字がないのは、彼女が人工的に作られたデザインヒューマンか何かなのか、それとも何らかの施設で育てられた孤児か、そんな設定が用意されていそう。

それと熊を脱走させた犯人は誰なのか?

最悪人類の希望である怜人が殺される可能性もあるので、個人プレイではなさそうな気もするが、後々出てくる片桐麗亜が感情で動いた可能性も考えられる。

 

 

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