終末のハーレムネタバレ33話
【難民地区】
お風呂場にいきなり乱入してきた朱音に殺されるなどと物騒なことを言われた怜人は、誰にですか?ととぼけたように訊き返すが、言わなくても分かるだろうと濁される。
確かに、すぐ思い浮かんだUW日本支部の長官たちで、朱音の言わんとしている相手H間違いはないだろうと思った。
ウイルスが世界を覆い始めて5年、この数年間で名だたるウイルス研究者は次々と姿を消しているらしく、彼女はそれは監禁や抹殺されているのではないかと疑っていた。
その見解を聞いた彼は、絵理紗が「欺瞞に満ちている」と言っていたことを思い出した。
一緒についてきたマリアが、朱音は長官たちを信じていないと言い替え、でも自分はそうは思っていないと言いつつ、朱音を責めているわけでもないらしい。
彼が重要な情報を手に入れた後のタイミングで危険を知らせてきた朱音。
実は彼女は、国務長官鬼原の娘だと打ち明け、龍造寺というのは小さい頃に離婚した父親の名字だとも彼に伝えた。
複雑な家庭環境に彼が俯きかけた時、いきなり彼女が抱きついてきて「シッ!」と言った。
言われた通りに声は出さなかったが、いきなり抱きつかれて胸を押し付けられ、ドキドキせずにはいられなかった。
程なくドアを開けたのは麗亜だった。
二人が裸でくっついているのを見て顔を歪め、嫌悪感を露にしたまま「何をしてるの?」訊いた。
それに朱音は見たまま健康チェックだとごまかし、あっさりと信用するつもりはない麗亜はマリアに本当かどうか睨んで訊き、彼女は首を縦に振った。
朱音はついでにメイティングでもしようと彼の股間に手を伸ばし、それに慌てて拒否する彼という、いつもと変わらないやり取りを見せつつ、邪魔者が来たせいで白けたと嫌味を言った。
麗亜は舌打ちを返し「くだらない」と言い残して去っていった。
ドアが閉まり、再び3人に戻ると、朱音は麗亜は谷口を毒殺しようとした犯人かもしれないから信用するなと彼に忠告した。
彼は当然信じられず、証拠はあるのかと訊くと、ただの女の勘だと言われるが、その言葉以上に確信を持っているような感じだった。
話を変え、彼が難民地区に慰問に行くことに触れると、彼は安請け合いしたことがまずかったかと心配そうな顔をするが、朱音にとってはチャンスが訪れるいい機会だった。