終末のハーレム30話ネタバレ
【変化】

一条、柊、東堂の3人はベッドの上に身体を投げ出し、同じように荒い呼吸を繰り返していた。

 

はあはあと息を荒げる傍で、土井はどこか沈んだようなテンションで3人を見やり、授業をサボってしまった事を気にしていた。
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「できたぞ。これを飲めば奴はウチの魅力にメロメロだ」

 

黒田は怪しげな液体を見つめながら嬉しそうに微笑んで独り言を漏らしていた。
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「何の実験してるの?」

と、いつの間にか背後に立っていた土井に声をかけられ

「どわあああああ!」

と驚いて、研究の成果を落としそうになってしまう。

 

 

今いる化学室がさも自分の専用であるかのように黒田は勝手に入ってきたことを責めるも、さっきこけて擦り傷を負ったことを気にしてくれもした。

 

彼はその優しさに少し照れながら「うん」と答えた。
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すると、自分が治療したほうがいいと言って、カレンの判断をバカにしつつ、今は相部屋の相手が有耶無耶になっていることに話を変えて、これにも自信を見せて立候補してきた。

 

彼は相変わらずな彼女に苦笑いし

「僕なんかのどこがいいの?」

と訊いた。

それに彼女はすぐさま

「顔」と答えた。

 

まさか一番言われると思っていなかったところを言われ、彼は笑わずにはいられなかった。

 

 

変な趣味をしているんだなと可笑しくなっていると、

「あとはまあ何だ…バカではないようだし、凡人どもを気にかけているし…」

と、モゴモゴ内面も気に入っていることを打ち明けた。
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さらに目を伏せてから、大きい胸ならちゃんと相手にしてくれるはずだと考えているらしく、家系的にこれから大きくなるはずだと答えた。

 

今までにない恥ずかしそうで健気な態度に、彼はおでこにキスを返した。
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「ありがとね。ちふゆちゃんに評価してもらえると自信つくよ」

「そうか、そうだろう!やっとウチの偉大さに気付いたか!」

 

一気に笑顔になり、その勢いのままメイティングに持ち込もうとしたが、やはり彼はまだ子供の彼女とその気にはなれないようで、もっと大人になってからと優しく断った。

 

それが彼女のプライドを傷つけ、自分より精神的に成熟した女などいないと、また根拠のない自信を示してから、姉に頼んで人工的に成長してやると捨て台詞を吐き、教室を飛び出していった。
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彼もそこを出て廊下を歩いていると、部屋の前でカレンが待っていた。

 

何の用かと訊ねる前に彼女は話し出した。

 

「ゆずせんせーの件で連絡です。せんせーはご家族の事情で転任になりました」

「え…転任って」

「はい、転任です!もう、この慶門市にはいませーん!事情はお話できませーん!」
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有無を言わさず捲くしたてられ、理解が追いつかない。

先生からは何も聞いていなかった。

 

順番が来ればまたあの日々が戻って来るはずだと思っていた彼はわなわなと震えながら、いつ戻って来るのか訊いた。

 

「そうですねー、1年とか2年とか?」

 

思いもしない期間といい加減に答える彼女の態度に我慢ならず

「僕の好きな人はそばに置いてくれるんじゃないのかよ!」

と怒りを露にした。

 

しかし、彼女は笑みを返して「またいつか会えますよ」などと、心にもなく励ました。
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この学校で生活の世話をされている限り、本質的に自由はないと改めて気付いた。

 

 

 

一晩経っても、ゆず先生がいなくなったショックから立ち直れなかった。

 

そんなことは関係なく、今日の彼の係の女の子が横に座っていて、「おはようございます」と挨拶をしてきた。

 

後ろに座っているカレンは、その子が今日の当番だと伝え、「キスのこと、覚えてますよね?」と、あの底の見えない笑みで確認してきた。
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彼はもう、クラスのみんなに見られていても恥ずかしがるような気持ちにはなれなかった。

 

それは心のどこかで、ずっと先生に遠慮して言い訳をするためだったのかも知れない。

 

しかし、もう会えるかもどうか分からなくなった今、この異常な生活で箍が外れかけていた彼は、躊躇いなく係の子の前に立って、自分からキスをした。
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彼女が受け入れてくれると、さらに舌を伸ばして貪るように吸い付いた。

 

 

 

授業が始まると、冷静に教室の中を眺めた。

 

自分以外が全員女子で、例外なく全員可愛くて、それは今日の係の子もそうだった。

 

そう思った彼はカレンを振り返り、

「ねえ、今晩なんだけど」と話しかけた。

 

 

 

その日の夜は、その係の子をメイティング相手に選び、股を開かせて思いっきり何度も突き入れたが、どこか釈然としない感覚だった。
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異常なハーレム学園で自分の内面が変わってきていることに彼は気付いていた。

 

それと競うかのように、学園の中も徐々に変わっていた。

 

カレンはまた何かを考えたらしく、転校生と称して新しい女の子をクラスに入れてきた。

 

 

星野汐音。
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その子はかつて、土井の同級生で芸能活動をしていた美少女だった。

 

 

 

彼は驚きの余韻に浸りながら、屋上で一人の時間を過ごしていた。

 

すると、そこでかつていじめられていた記憶が思い出されてきた。

 

いつものメンバーに取り囲まれ、サッカー選手を気取った一人に思いっきり蹴られ、それを他の男子が囃したて、クズの男にお似合いのクズの彼女が笑って見物していた。

 

その時現れたのが、星野とその友達二人だった。
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屋上に弁当を食べに来たらしいが、友達はすぐに立ち去ろうと星野に声をかけた。

 

彼女は自分はここで食べたいのだと譲らず、その場に居座った。

 

しかし、自分の意見を聞き入れて欲しいだけで、いじめ自体は気にもしていなかった。

 

 

 

そんな忌まわしい記憶が蘇って気分が悪くなった時、その星野が再び屋上にやってきた。
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終末のハーレムの考察と感想

飴と鞭の要領なのか、ゆず先生で自信をつけさせてから、徐々に女の子とヤルハードルを下げて自分から誰でも求めるようにしようとしている。

ただ、必要以上にトラウマと対峙させる必要があるのかは疑問だ。

とにかく、クラスを眺めた時に挙げた3人とは、近い内にメイティング相手に選ぶだろう。

 

 

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