「俺は平気ですけど、大丈夫ですか?」

「は、はい・・・・・・」

そこで、落ち着いた女性は、改めて怜人の顔をじっと見つめた。
終末のハーレム

 

すると、みるみる顔が青ざめて

「おおおおおお男おおおおお!!!???」

と叫んで、白衣を直して胸を隠した。
終末のハーレム

 

「ギャアアアアアアアッッッ!」

そう悲鳴をあげて走って逃げ出して行く女性の後ろ姿を見ながら、彼は戸惑うことしかできなかった。
終末のハーレム

 

そんなトラブルを、別の女性が密かに目撃していた。

 

 

怜人が食事を摂っていると、施設のスタッフ二人が

「サインもらえませんか?」

と、色紙を差し出してきた。

芸能人のように扱われて驚くが、悪い気はしないので色紙を受け取って書いてあげると、純粋に喜んでくれる。
終末のハーレム

 

その時、

「その男は女性に見境なく襲いかかる変態よ」

と言って、一人の女性が近づいてきた。
終末のハーレム

 

サインをもらった二人が気まずそうに離れていくと、怜人は落ち着いて言い返した。

 

「変態って・・・人聞きの悪いこと言わないでもらえます?」

「さっき、研究職の女性を押し倒していたでしょう」

「誤解です!あれは――」

彼の言い訳には耳を貸さず

「デレデレと鼻の下を伸ばして、醜悪だわ」
終末のハーレム

 

と、汚いものでも見るかのように睨みつけて踵を返す。

 

「男というだけでちやほやされるのも今のうちよ」

そう捨て台詞を吐いて、彼の前から消えた。
終末のハーレム

 

突然罵声を浴びせられたばかりか、ろくに言い返せずにむしゃくしゃした直後、美来から連絡がきた。

 

 

怜人は全速力で彼女がいる部屋に向かい、中に駆け込みながら

「担当官交代ってどういうことですか!?」と叫んだ。
終末のハーレム

 

そこには、美来以外にUW日本支部の長官二人が同席していた。

 

彼女たちは怜人が来るなり、前置きなく新しい担当官を呼んだ。

「ちょうど良かったわ。新しい担当官を紹介します」
終末のハーレム

 

その直後、件の新担当官がドアを開けて入ってきた。

 

 

考察・感想

怜人編が再始動した。

取り掛かっている研究は、はっきり言って既にAIも多くの研究者も数え切れないくらい試していそうなもので、よく特効薬を作るなどと大きなことを言えたものだ。

絵理沙との幼い思い出が彼を突き動かしているのは分かるが、今のところ我がまま放題だ。

朱音に密着されて寝ていて、何もせずにいられることは、ある意味賞賛に値する。

黒田・レイン・ちふゆと何らかの繋がりがありそうな黒田マリアが初登場。

マリアとカタカナ表記なことから、彼女もハーフの可能性が高い。やはり姉妹か親子か・・・

そして麗亜が男を憎んでいる理由は何か?

浮気か暴行か、ウイルス蔓延直後の暴動で嫌気がさしたのか。

 

 

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