終末のハーレム27話
【柊春歌】

この学園はすべて自分のために用意されたもの。

 

一条の横で寝ながら、土井は衝撃的な真実に思いを馳せていた。
終末のハーレム

 

 

男としてはこれ以上ない最高の生活なのだろうが、寝て起きたらそんなことになってますと言われても、いまいち納得できずに寝返りをうった。

 

「翔太さん・・・」

「ごめん、起こしちゃった?」

「あの・・・相部屋ももうすぐ終わりですから・・・」

 

彼女は最後まで言わず、そっと身体をすり寄せて希望を伝える。
終末のハーレム

 

 

この時でもまだ、彼女の誘いに慣れずにいた彼はすぐには答えられず、焦れた彼女からキスをした。

 

そのまま覆い被さって舌を絡め、唾液の交換を済ませながら下半身同士を押し付けて、彼をその気にさせようとする。
終末のハーレム

 

すると彼は彼女の身体を押しやり、距離をとった。

 

「ごめん。今日はそんな気になれない」

「わたしの方こそごめんなさい・・・」

 

まさか断られるとは思っていなかった彼女は驚きながらも、真実を告げられたばかりの彼の気持ちを慮って、素直に背中を向けた。
終末のハーレム

 

 

 

彼は深夜になり、みんなが寝静まった頃を見計らって敷地の外に出ようとした。

 

しかし、彼の考えを見透かしたかのようにカレンが待ち構えていて声をかけられる。
終末のハーレム

 

「どこ行くんです?」

「そ、外の空気を吸いたくて・・・少しくらいいいでしょ?」

 

しかし彼女は笑いながら怒ったような雰囲気でダメですよときっぱり答え、彼はその相反する表情に気圧されてしまう。
終末のハーレム

 

 

そして、訊かずにはいられない質問をぶつけた。

 

「ぼ、僕は・・・一生ここで暮らすの?」

 

彼女はそれに冗談めかして、「それもいいかも知れません」と返して、彼を慌てさせる。
終末のハーレム

 

だがすぐに冗談だと取り繕って、卒業までの辛抱だと励ましてから不安になる彼を部屋に戻らせた。

 

もうすぐ終わる一条との相部屋を楽しんでくださいと伝え、不安な表情のままの彼を残してカレンも部屋に戻った。
終末のハーレム

 

 

 

後日、カレンは教室で次の相部屋の相手をくじ引き抽選で決めるといい出し、皆を着席させた。

 

水泳のタイムで二番だった東堂は、次はてっきり自分の番だとばかり思っていたので、まさかの展開に驚きを隠せず、そんな彼女を見て黒田はここぞとばかりに絡んでからくじを引きに行った。

 

「最初に引かせてもらうぞ」

「どうぞ~。当たりくじには丸がついてます」

「これだっ!」
終末のハーレム

 

間違いないとばかりに引いたくじはあえなく外れており、次は柊が淡々と前に出て、箱の中に手を入れる。少し吟味をして取り出したが、彼女も外れだった。

 

 

「私も参加したかったな~」

 

残念そうにくじ引きを見つめる一条に苦笑いを漏らす土井。

 

自分が景品にされていることに違和感を覚えても、その不満はまだ少し小波が立った程度のもので、止めて欲しいとまでは思わなかった。
終末のハーレム

 

 

そうこうしているうちに次で当たりが出た。

 

「次はあーしが相部屋だー!土井チャンよろしくね~」

肌を焼き、制服を着崩し、ノリだけで生きているようなギャルが次の相手だった。
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苦手なタイプが次の相部屋の相手になり、また新しい不安が増えた。

 

溜息を吐きたくなるような気分で用を足していると、いきなりそのギャルがトイレの中にまで乱入してきた。

 

驚く彼に構わずズカズカと歩み寄り、尻餅をついた彼に見せつけながらスカートをたくし上げていく。
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「夜まで待つのもなんだしさー、ここでしちゃおうよ」

 

下着の筋に自分の指を埋めて見せ、既にブラを外しているのが分かるように乳首がシャツを浮かせている。

そしてまた自分でボタンに手をかけていく。

 

だがその強引さとシチュエーションが、彼に嫌な記憶を呼び起こさせた。
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そんなことには気付かず彼女はマイペースに迫り、それもまた憎い相手の姿と重なった。
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「や、やめてよ!」

「あ~ん、なんで~!土井チャン待ってよー!」

 

彼は堪らず逃げ出し、彼女も慌てて追いかけた。

 

監視していたカレンは、さっそく失敗に終わった事に頭を抱えるが、今の土井なら大丈夫だろうと安心もしていた。
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彼が逃げ込んだのは用務員室だった。

 

弾んだ息を整えながら、時間的には久しぶりに来る部屋のドアを開けて中に入った。
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目覚めてから初めて来たそこは、体感的にそれほど時間が経っていないはずなのに、本当は5年経っていると知っているせいか、妙な懐かしさがあった。

 

すると、壁に自分が貼った覚えのない好きなアイドルグループのポスターがあるのに気付き、その直後に誰かがドアを開けた。
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それは柊で、お互いがここにいることに驚いた。
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彼女は先に理由を答えようとするが、座って落ち着いてから話す事にして、彼にも座るよう促した。

 

 

「ねえ、あのポスター、春歌ちゃんが?」

「・・・ここ、土井ちんの場所だったんだね。なんか嬉しいな」

 

彼は意味が分からずキョトンとするが、彼女は前を向いたまま話し続けた。
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「土井ちん・・・あの時のって・・・その、プールで身体に・・・」

「・・・ああ・・・そうだよ、僕はいじめられてた。結構ハードなやつで」
終末のハーレム

 

彼はまた嫌な記憶を思い出し、友達だと思っていた奴にも裏切られた事を話すと、自然と涙が滲んできた。

 

それをすぐに拭い、柊がここに来た理由を訊こうとすると、彼女は突然服を脱ぎ出した。
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しかし、彼は恥ずかしがるより先に、自分と同じように無数にある痣に驚いた。

 

彼女にもいじめられた経験があり、その身体を見ればどれだけ酷かったのかは察するに余りあった。
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だから、一人になりたくなったらここに来て自由に時間を過ごしていた。

 

同じような辛い目に遭った二人は、同じ方法で辛さを忘れようとしていた。

 

二人は趣味も境遇も共通点が多かった。
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「土井ちんの、傷も見せて」

 

ここから何をするか察した彼は何も言わず、彼女にリードされるがままシャツのボタンを外され、見つめ合ってキスをした。
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触ってと言われて胸を触り、他の二人とは違う感触に興奮が増し、同じ傷を持つ彼女の身体に舌を這わせ始めた。
終末のハーレム

 

 

終末のハーレムの考察と感想

翔太編が再開した。

怜人は完全にサスペンス要員になってきたので、刺激的なことはこっちに任せたほうが良さそうだ。

ここで柊とヤったとしても、相部屋はギャルになったのはどうするのか。

もしかしたら、少し強気に出てチェンジを言い渡すかも知れない。そうなると、さすがにギャルが可哀想な気がしてくる。

 

 

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