つまり、火野がまひるをメイティング相手に選んだ件だった。
当然兄の怜人は驚いたが、まひる本人は驚くよりも先に強烈に嫌がった。
意外にも二人に面識はなく、会ったこともない相手とエッチなことをするなんて考えられないと完全に拒絶の意思を示した。
怜人もまだ16歳の妹にそんなことをさせられないと言うと、まひるが、お兄ちゃんから断ってよと言い出し、石動もその方が火野も納得するだろうと答えた。
怜人は気が進まないながらも引き受け、火野にまひるの意思を伝えると、当然落ち込まれてしまう。
だが彼はすぐに立ち直り、せめて一回だけでも会って話せば仲良くなれるかも知れないから会わせて欲しいと食い下がってきた。
本当に嫌がっていたし、何もまひるじゃなくてもいいだろうと再度断るが、一目惚れだと真剣に見つめられると、怜人は押しに負けて、もう一度伝えてみると聞き入れてしまった。
まだ何も進展していないのだが、火野は怜人をお兄さんと呼んで、調子に乗り始めた。
麗亜と石動は二人一緒にまひるがメイティングを拒絶したことを日本支部の長官たちに報告しに行き、特に小言を言われることなく済んだ。
二人の報告が終わるとすぐに次の議題に移り、メイティング計画を担っているであろう長官は、ナンバー4と5の解凍準備が順調に進んでいること報告。
化粧が濃いギャル風の長官は怜人の番組の視聴率がわずかに低下したことを報告。
技術長官は特に何もないと、いつものようにふてぶてしく股を広げながら報告した。
そして最後に老齢の長官が、難民と警備員の間で起きたことを報告。
最近そんな小競り合いが多く、取り返しのつかないことになる前に対策を講じるべきだとなるが、技術長官とメイティング計画等を担っている長官が互いの仕事をけなし合い始めてしまい、鬼原が怒号を飛ばして止めさせる、幼稚な醜態をさらした。
静まり返った場でも物怖じせず、麗亜は手を上げ、怜人に難民への物資供給をさせれば、女性たちの不満も和らぐだろうと提案し、その案が特に吟味されることなく採用された。
その頃、新しい役目を与えられたことなど知る由もない怜人はシャワーを浴びて出ようとしていた。
しかし、裸の朱音とマリアにまたバスルームに押し込まれてしまう。
ただそれは彼を誘惑しようというのではなく、ここでしか秘密の話をできないから、メイティングを誘っているように見せかけただけのようだった。
シャワーを出して話し声が聞こえないようにした後、朱音は彼がウイルスの情報を手に入れたんじゃないのかと訊いてから、殺されるかも知れないと彼に忠告した。
終末のハーレムの考察と感想
麗亜があの女性に何を頼んだのかは分からないが、長官たちもあっさり彼女の案を採用したことから、彼の処遇をどうするか意見が一致しているのだろう。
それを犬猿の仲である朱音が嗅ぎつけ、信用できるマリアを誘って彼に忠告した。
順当に考えればそうだろうが、まだどちらが信用できるのか分からないし、どちらも信用できないかもしれない。
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